
監修者
株式会社篤月
陳 逸翔広告代理店を退職後、早稲田大学大学院入学&卒業。
累計100社以上の日本企業の中国SNSコンサルティング経験を持つ。
自身も5万以上のフォロワーを中国SNSでもつ、第一線のKOLである。
記事のポイント
2025年の外国人延べ宿泊者数は前年比8.2%増で、インバウンド需要が宿泊業界を支えている
中国人観光客は口コミやインフルエンサーの投稿を重視し、REDで宿泊先選びをする
観光客数が一時的に減少していても、長期視点でのSNS投資継続が重要
訪日外国人観光客の数が過去最高を更新し続ける今、ホテル業界にとってインバウンド対応は避けて通れないテーマです。多言語対応や設備投資をどこまで進めるべきか、SNSをどう活用すべきか、などを悩んでいる宿泊施設経営者の方も多いのではないでしょうか。
特に訪日外国人観光客の中で最も数が多い中国人は、宿泊先を選ぶ際に口コミやインフルエンサーの投稿を強く参考にする傾向があり、他の国籍とは異なる対策が求められます。
この記事では、ホテル業におけるインバウンド市場の最新動向から、旅行客が宿泊施設に求めていること、そして中国人観光客をはじめとするターゲットへの効果的な集客方法までを解説していきます。
インバウンドとは?

インバウンドは「外から中に入ってくる」を意味しており、観光業界においては「訪日外国人の旅行」もしくは「訪日外国人観光客」のことを指します。
日本では、訪日外国人旅行者の数が増加しており、国内経済に影響を与えています。
2025年の訪日外国人旅行者数は4,268万3,600人(前年比15.8%増)に達し、過去最高を更新しました。旅行消費額も9兆4,549億円(前年比16.4%増)と、こちらも過去最高を記録しています。
政府は2030年までに訪日外国人旅行者数を6,000万人まで増やすことを目標に掲げており、現状のペースはこの目標達成に向けて着実に積み上がっています。
この目標を達成するためには、訪日外国人旅行者の国籍や地域の偏り、インフラ整備の遅れといった課題を解決する必要があります。
また、都市観光だけでなく地域のローカル体験(文化や自然体験)の充実も求められています。
参考記事:https://www.meti.go.jp/shingikai/monoinfoservice/sportsfuture/do/pdf/00105_00.pdf
参考記事:https://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2023/pdf/2-2-3.pdf
ホテル業におけるインバウンドとは?

インバウンドは観光業界だけでなくホテル業界にも影響があります。
日本を訪れる外国人観光客はどんな宿泊先を選ぶことが多いのでしょうか。
観光庁の「訪日外国人消費動向調査」によると、外国人旅行者が選ぶ宿泊先として最も多いのは洋室中心のホテルです。
観光庁の宿泊旅行統計によると、2025年の外国人延べ宿泊者数は前年比8.2%増となりました。一方で、日本人延べ宿泊者数は3.8〜4.2%減少しており、インバウンド需要が宿泊業界全体を支える構図が鮮明になっています。客室稼働率が最も高かったのは大阪府の79%で、都市部を中心に宿泊施設の供給が需要に追いついていないエリアも確認されています。
ですが、国籍・地域別に見ると違いがあり、スペイン、イタリア、フランスなどは他の国籍・地域と比較して旅館を宿泊先とした割合が高く、2023年にはコロナ前より増加しています。
この3カ国が持つ特徴は、訪日目的として「温泉に入浴する」以上に「旅館に宿泊する」が高い傾向にあることです。
逆に旅館と宿泊先として選択する割合が低いのは、フィリピン、インドネシア、インドなどとなっています。
訪日外国人観光客の中で最も多い中国人は、日本に在住している親族や知人宅での宿泊が増加傾向にあります。
参考記事:https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/hitokoto_kako/20240613hitokoto.html
インバウンド旅行客が宿泊施設へ求めること

インバウンド旅行客は洋室タイプのホテルを宿泊先に選ぶことが多いと述べましたが、彼らは宿泊先にどんなことを求めているのでしょうか。
インバウンド旅行客が宿泊施設選びで重視しているのは以下の点です。
①日本らしい体験ができるか
訪日外国人観光客は、観光地や自然体験場所だけでなく宿泊施設にも日本らしさを重視しています。
特に、温かい日本特有のおもてなしサービスや浴衣など身をもって日本文化を感じられる要素が求められています。
中でも、おもてなし文化はインバウンド旅行客が最も多い中国人に高く評価されており、再訪を促すポイントにもなっています。
さらに、宿泊施設内の和風な装飾や畳、障子などの客室設備、温泉なども欠かせないポイントです。
②初めての日本旅行でも安心安全か
初めて日本に訪れる外国人観光客は、不安や心配を抱えているため、それらを解消できる要素も重要です。
特に、予約サイトやチェックイン・チェックアウトのシステムが多言語に対応しているかどうか。
さらには、防犯カメラが設置されていたり、スマートキーシステムが導入されているかなど安全面への考慮も求められています。
日本は治安が良いイメージがありますが、それでも初めて日本を訪れる観光客から見ると不安な点はたくさんあるためです。
③利便性があるか
多言語に対応しているシステムに加えて、設備などの利便性も宿泊施設に求められる項目となっています。
中でも、無料Wi-Fiや周辺施設の混雑状況がわかるアプリなど観光を快適にするサービスです。
また、何泊も滞在する場合、宿泊費が多くなるため、キャッシュレス対応も必要不可欠とされています。
宿泊施設を利用するターゲットへの集客のやり方

インバウンド市場が回復に進んでいる中で、ホテル業界が外国人観光客をターゲットに集客を図るにはどのような方法が適しているのでしょうか。
ここでは、宿泊施設を利用する訪日外国人観光客向けの集客方法をご紹介します。
①オンラインサイト
まずは、自社のオンラインサイトで多言語での対応を充実させることです。
観光地に近いホテルや海外でも有名なホテルはWEB検索からホテル予約につながります。
そこから実際に予約に至るまでには、以下が重要なポイントです。
多言語に対応しているか
宗教や文化に対応した食事があるか
部屋の内装がわかる写真が充実しているか
観光ツアーや周辺スポットの紹介はあるか
体験型イベントや自然アクティビティなどはわかるか
利便性はもちろんのこと、館内写真やツアープランなどビジュアルによるイメージが膨らむかが集客に影響しています。
②SNSマーケティング
続いては、SNSを通しての流入です。
世界中で使われているSNSを駆使して、ビジュアルコンテンツ重視で集客する方法があります。
また、投稿拡散などにより宿泊をプレゼントするようなキャンペーンも注目を浴びるコンテンツになります。
さらに、近年はインフルエンサーマーケティングも盛んであり、ファンの多いインフルエンサーを通してホテルをアピールすることも可能です。
特に、インバウンド旅行客の多い中国人はインフルエンサーへの信頼が強く、インフルエンサーがおすすめした商品やサービスが人気になる傾向があります。
したがって、中国人の集客を狙うのであれば、中国特有のSNSであるWeiboやREDを活用して、ホテルの写真や特徴を投稿することがおすすめです。
訪日中国人の多くは、REDに投稿された他ユーザーの口コミやインフルエンサーの体験談を参考に宿泊先を決める傾向が強く、REDで検索した際に自社ホテルの投稿が上位表示される状態を作ることが、集客に直結します。
③口コミ投稿
最後に、インバウンド旅行客が宿泊先を選ぶときの決め手になるのが口コミです。
利用客の感想が掲載されていると、評価の信憑性が上がるため、口コミは重要とされています。
インバウンド旅行客向けに口コミを充実させたい場合は、チェックイン・チェックアウト時に口コミ投稿を促したり、口コミ投稿によるキャンペーンを打つなどして、口コミの数を増やしていきましょう。
代表・陳逸翔の所感
「中国人観光客が減っている今でも、インバウンド施策はやるべきですか?」とよく聞かれますが、企業体力があるなら今こそ投資すべきだと思っています。
確かに2026年は中国人観光客が以前より減っています。ただ、市場そのものがなくなったわけではありません。韓国・台湾・香港など他国の旅行客もいますし、中国人旅行客もゼロではないんです。弊社では現在、東横インホテルの中国向けマーケティングをご支援しており、施策は順調です。数字が落ちている部分もありますが、こういう時でも投資を止めない会社が次の成長をつかむと考えています。
SNSマーケティングはテレビCMに比べ費用は大きくなく、10分の1以下の予算でも継続できます。数年先を見据えて準備することは効率の良い投資です。団体旅行が本格的に戻った時、早くから発信していた会社が恩恵を受けるでしょう。
資金繰りが厳しければ無理に投資すべきではありませんが、海外向けに予算を使うなら欧米か中国どちらかに集中することをおすすめします。中国市場については東横インホテルなど支援実績も多く、国内でもトップクラスだと自負しています。
中国向けインバウンド施策をご検討中の方は、ぜひ弊社にお気軽にご相談ください。
まとめ

今回は、インバウンド市場におけるホテル業界(宿泊施設)の集客方法について解説しました。
ホテル業界がインバウンド旅行客をターゲットにする際は、日本ならではのおもてなしや和風な設備・体験が重要です。
また、オンラインサイトだけでなくSNSを駆使した周知が必要で、特にインバウンド旅行客が多い中国人に対しては、中国特有のSNSの活用が欠かせません。
中国人観光客に向けて、ホテルや旅館の情報発信をしようと中国SNSであるREDの本格的な運用をご検討中の企業様は、ぜひ篤月へご相談ください。
昨今のトレンドを踏まえたRED運用のポイントを、中国SNS運用代行のプロ目線でアドバイスいたします。ぜひお気軽にご連絡ください。

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