
監修者
株式会社篤月
陳 逸翔広告代理店を退職後、早稲田大学大学院入学&卒業。
累計100社以上の日本企業の中国SNSコンサルティング経験を持つ。
自身も5万以上のフォロワーを中国SNSでもつ、第一線のKOLである。
日本語レベルの高い外国人が日本で働いているのをよく見るようになりましたよね。
日本で働いている外国人の多くが日本語能力試験を受けています。
今回は、日本語能力試験の中でもトップレベルのN1を有する中国人材に焦点を当て、なぜ今日本企業は日本語ができる中国人材を求めているのか解説していきます。
なぜ今、日本語能力試験N1を持つ中国人材が求められるのか?

日系企業は近年、グローバル化に伴って、中国人材の採用を積極的に進めています。
中でも、日本語能力試験N1を有する人材は、特に重宝されています。
その理由は、日本語能力試験N1は日本語を母語としない人がどれだけ日本語を理解しているのかを示す最高峰の資格であるからです。
日本語能力試験N1を取得している人は、高度な日本語スキルを持っており、日系企業で働けるビジネスコミュニケーション力も有していると言えます。
日系企業では、特に顧客への対応において丁寧なコミュニケーションが求められることから、日系企業での就職において日本語能力試験N1は非常に価値が高いのです。
そして、グローバル化に伴って、中国市場に進出する日系企業が増えているため、日本語と中国語どちらにも精通した人材が求められています。
バイリンガルな人材は、通訳として情報の適切な伝達を行うだけでなく、それぞれの国の市場を正しく理解することにもつながります。
実際に、在留外国人の中では日本語学習者が増加しており、日本語能力の高い人材の共有が増えることから、日系企業はよりスキルの高い人材を採用しようと競争力を高めているのです。
参考記事:https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2023FY/000339.pdf
N1取得の中国人材が企業にもたらす具体的なメリット

日本語能力試験N1を有する中国人材が日本企業にもたらすメリットは多岐に渡ります。
ここでは重要なポイントを3つ解説していきます。
①言語の壁の軽減
日本語能力試験N1を有している中国人材は日本語への理解がきわめて高く、ビジネスシーンで必要な専門用語やニュアンスも理解している人が多いです。
そのため、日本人従業員とのコミュニケーションも円滑に行えるため、誤解やミスを防ぐことができます。
また、顧客への対応や契約書などの書類作成においても、正確な業務が可能であるため、業務効率が上がります。
②異文化理解
日本語能力試験N1取得者は、日本語だけでなく日本企業特有のビジネス文化やマナーにも理解が深いです。
したがって、社内だけでなく社外とのコミュニケーションも任せることができ、顧客との信頼関係も築きやすくなります。
そして、母国の市場にも詳しいため、文化や価値観などの背景への理解を持って、マーケティング戦略を立てることにも役立ちます。
③多様性の尊重
日本語能力試験N1を有する人材は、多様な視点から意見やアイデアを発してくれます。
これによって、社内でイノベーションが促進され、新たな視点でのビジネスプランが打ち出されます。
中国市場をターゲットにした商品開発や販路拡大においては、彼らの経験や知識がダイレクトに活きてくることでしょう。
社内でさまざまな意見が飛び交うことにより、多様性が尊重され、意見が発しやすい職場へと変化することも期待されます。
参考記事:https://shokosoken.or.jp/shokokinyuu/2023/06/202306_tooshi.pdf
N1取得の中国人材が活躍できる職種・ポジション

日本語能力試験N1を持つ中国人材が日系企業において活躍できる職種はさまざまです。
まず営業職では、日本語を流暢に話せるコミュニケーション力が活かせます。
日本のビジネス文化を理解している日本語能力試験N1取得者は、顧客とのコミュニケーションをスムーズに行えるため、営業職は活躍できるポジションと言えます。
また、文化や価値観への理解も深いため、グローバル化しているクライアントのニーズにも応えられるでしょう。
次は、マーケティング・企画職です。
マーケティングでは、日本市場と中国市場のどちらとものトレンドや消費者の行動を理解していることが、戦略やプロモーションにおいて大きな強みとなります。
翻訳や通訳にも適しているため、消費者に刺さりやすいキャッチフレーズの作成などでも活躍できるでしょう。
日本語能力試験N1を有する中国人材はIT分野でも求められています。
多くの日本企業が中国市場への進出を考えており、最先端技術やテクノロジーを駆使したサービスの展開において、プログラマーやエンジニアは期待されるポジションです。
参考記事:https://ghrlab.com/article/foreign-workers-working-environment
N1取得の中国人材採用における課題と対策

日本語能力試験N1取得の中国人材を採用する際には、さまざまな課題が見られます。
まずは、言語能力のばらつきです。
日本語能力試験N1を取得しているからといって、日系企業での実際の業務で活かせるほどの言語能力が必ずあるとは言い切れません。
特に、会話力や日本のビジネスシーンで必要とされる用語への理解は実践的な能力として重視されていますが、日本語能力試験N1は読み書きに焦点を当てているため、試験結果のみで判断することが難しいのです。
したがって、中国人材を採用する日系企業は選考で会話力を重視し、コミュニケーションのテストを導入することをおすすめします。
次は、文化や価値観、職場環境の違いです。
日本語を流暢に話せる中国人でも、日本企業特有の文化や価値観には慣れていないことが多いため、入社後にすぐに馴染めないかもしれません。
そのため、企業側は入社前に日本企業特有のビジネス文化や価値観を知る研修を実施したり、困ったときに相談しやすいメンター制度などを取り入れたりしましょう。
さらに、採用後の支援体制も重要で、長く働いてもらうために、定期的なフォロー面談を実施し、仕事以外の悩みや困りごともサポートすることが大切です。
中国人材は、自身のキャリア形成に敏感なため、自社で歩めるキャリアプランの提示も定着につながります。
N1取得の中国人材を惹きつけ、採用成功に導くステップ

日系企業が競争の高まっている市場で日本語能力試験N1取得の中国人材を惹きつけ、採用を成功させるには、以下のステップが重要です。
第一に、企業のビジョンや人事戦略に基づいた採用計画を立てます。
語学力だけでなく、コミュニケーション力や文化への理解も含めて、採用基準を設定し、求人内容を整えましょう。
続いては、求人に中国人でもわかりやすいように企業文化やキャリアプランなどを明記します。
そして、日本語能力試験N1を活かせる業務やポジションを提示し、日本語能力試験N1取得者の興味を引きましょう。
実際の採用活動については、リファラル採用の活用がおすすめです。
既に、中国人材を採用している場合は、同様の背景を持つ優秀な人材を紹介してつないでもらうことで、ミスマッチを防ぐことができます。
選考の際には、書類選考や面接を通じて、自社のマッチ度合いを確かめ、企業への理解度を図ります。
日本語能力試験N1を有しているからといって、日本語のレベルだけで選定しないように注意してください。
人柄や企業の理解度も考慮することで、長い定着が見込めます。
最後に、内定が決まった場合は、入社までのフォローも徹底しましょう。
入社への不安を取り除くことで、入社意欲を高めることができ、直前での辞退を防げます。
まとめ

今回は、日本語能力試験N1取得の中国人材が日本企業で求められている理由を解説しました。
日本語能力試験N1を有する中国人材は、日本語だけでなく日本のビジネス文化や経済市場への理解が高い人が多いです。
そのため、中国に進出したいと考えている日系企業は中国語も日本語もできる日本語能力試験N1取得者を求めています。
ただし、日本語能力試験N1を有しているからといって、日本語レベルが必ずしも日本企業が求めるレベルであるとは限りません。
したがって、採用選考では会話力やビジネス文化への適応力なども見極める必要があります。


