
監修者
株式会社篤月
陳 逸翔広告代理店を退職後、早稲田大学大学院入学&卒業。
累計100社以上の日本企業の中国SNSコンサルティング経験を持つ。
自身も5万以上のフォロワーを中国SNSでもつ、第一線のKOLである。
記事のポイント
中国のSNS人口は14億人に達し、普及率は97.1%と世界的にも高い水準。
REDは購買前に検索される信頼性判断のインフラへと役割を拡大中。
高齢層のショート動画利用拡大が、中国SNS市場の成長を下支えする。
中国では、日本以上にSNSマーケティングの重要性が高いと言われます。中国進出を考えている企業であれば、ごくあたりまえのように中国SNSの運用も検討するでしょう。
しかしながら、そもそもなぜ中国マーケティングにおいてSNSの位置づけが高いのでしょうか。
今回は、中国におけるSNS人口の割合とともに、中国SNS文化を日本と比較しながら紐解きます。
中国のSNS人口の割合とは?

SNSは、今や世界各国で欠かせないマーケティング手法のひとつです。
ユーザー1人ひとりと密にコミュニケーションが取れること、また運用コストも抑えられることから、4大マスメディア(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)と同等、もしくはそれ以上に重視している企業も多いでしょう。
中でも中国は、世界的にみてもとくにSNS普及率が高い国として知られています。
中国インターネット情報センター(CNNIC)によると、中国のインターネット人口は2026年1月時点で14億人に上ると報告されており、そのうちSNS人口の割合は97.1%にも達しています。総人口に対するSNS普及率としては驚異的な水準であり、これは米国や日本よりも高いSNSの割合です。さらに、中国人の1日あたりのインターネット利用時間は約5時間と長く、若年層からシニア層まで幅広い年齢層が毎日活発に利用している点も、中国SNSの割合の高さを支える要因といえるでしょう。
中国のSNS文化と日本のSNS文化との違い

中国SNSマーケティングを実施するにあたって、中国には日本とはまったく異なるSNS文化が根付いていることを知っておかなくてはなりません。
例えば、中国ではLINE、X、Instagram、YouTubeといった日本で馴染みのあるアプリは利用できません。
正確に言うと、VPN接続をすることで中国在住の方でも利用はできますが、まったくと言っていいほど普及していません。
中国には「グレート・ファイアウォール」とよばれるインターネット検閲・ブロックシステムがあり、中国政府によって厳しく情報が管理・統制されています。
そうした特殊な事情から、世界的にも利用が一般化しているアプリでも簡単に利用することができないのです。
また、中国人は友人や知人から得た口コミを重んじる文化があり、日本人よりもSNSが購買きっかけになりやすい傾向にあるのも特徴です。
企業にとっては利点である一方、発信内容が炎上するなどしてネガティブな印象がつくと、そっぽを向かれるリスクが高いと言えます。
コンテンツの内容には細心の注意を払いながら、密なユーザーコミュニケーションを取っていくことが大切です。
参考記事:https://www.sohu.com/a/779524024_121388268
日本の企業に人気の中国SNSプラットフォーム

中国では日本で普及しているSNSの代わりに、独自のプラットフォームの利用が浸透しています。
例えば、LINEに代わるメッセンジャーアプリ「WeChat(微信)」、Instagramと同様の機能を持つ「RED(小紅書)」、ショートビデオプラットフォームの「TikTok(抖音)」、中国版のXと言われる「Weibo(微博)」などが代表的です。
それぞれ機能が全く異なるため、中国人ユーザーは目的に応じてそれぞれのツールを使い分けています。
どのSNSプラットフォームも生活には欠かせないアプリですが、中でもとくに日本企業に人気が高いのが「RED(小紅書)」です。
日本の企業がRED(小紅書)に注目する理由
REDはInstagramのように写真や動画を投稿、シェアできるアプリで、その仕様も非常にInstagramと似ています。
投稿内容は美容やファッション、ライフスタイルのトレンド情報が多く、20~40代の女性から人気が高いという点も、日本のInstagramと似た傾向がみられます。
一方で、大きな違いと言えるのが、REDではライブコマースが非常に活発であるということです。そもそも中国のライブコマース市場規模は2023年時点で93兆4,800億円と言われており[a出典:https://www.statista.com/statistics/1127635/china-market-size-of-live-commerce/]、ここ数年で急成長を遂げています。
日本のライブコマース市場が2023年時点で3,000億円弱との想定であることを踏まえると、非常に巨大なライブコマース市場であることがわかります。
そして、ライブコマースのメインプラットフォームのひとつとなっているのがREDです。
REDには独自のEC機能が備わっているため、消費者に対してアプリ内でスムーズに商品購入へと誘導できます。
口コミ文化が浸透している中国ではインフルエンサー(KOL)の影響力がとりわけ大きく、KOLを活用したREDでのライブコマースが頻繁です。
2026年現在、REDは単なる写真共有アプリの枠を超え、中国最大の購買意思決定検索エンジンとも呼ばれる存在へと進化しています。ユーザーはブランドの公式サイトよりも先にREDで検索し、投稿への反応を信頼性の判断材料にする傾向が強まっており、「REDに口コミがないブランドは市場に存在しないのと同じ」と言われるほどです。このように、認知から購入までの導線に加え、購買前の検索先としての役割が強まっている点も、日本企業がREDに注目すべき理由のひとつです。
参考記事:https://togetsu.co.jp/column/VfebOlBJ
代表・陳逸翔の所感
「中国のSNS人口はこれからも増えますか?」と聞かれることがあります。僕は、「これからもしばらくは増え続けるだろう」と思っています。
もちろん、中国でも少子高齢化は進んでいると言われていますし、若い世代の人口自体は減っており、以前のような人口増加はもう期待できません。それでも、SNSの利用者という視点で見てみると、僕は「若年層が増えている」というより、「高齢者がどんどんSNSに入ってきている」ことのほうが大きいのではないかと感じています。
僕の祖父は今年で89歳ですが、家では毎日のように大音量で抖音(中国版TikTok)やショートドラマを見ているんです。本人はとても楽しそうで、笑いながらずっと画面を眺めています。ボケ防止になっているのかどうかは分かりませんが、それほどまでにショート動画は高齢者の生活にも浸透しているのです。
日本では「TikTok」と聞くと、まだ若い人が使うものというイメージが強いかもしれません。しかし、中国ではもはやそうではありません。かつてテレビの前に座っていた世代が、少しずつショート動画へ移ってきているのです。
そして、この変化は単なる利用者層の広がりにとどまりません。人が情報を受け取るスタイルそのものも変わってきています。長い番組を最初から最後まで通して見るのではなく、「面白い部分だけを切り抜きで見る」「知りたいところだけを短時間で見る」。そうした情報収集の仕方が、これからますます当たり前になっていくと思います。ショート動画は、人々の集中力や情報の受け取り方そのものを変えてしまいました。この文化を作り上げたByteDanceの影響力は、本当に大きいと感じています。
特に中国では、日本以上にショート動画文化が根づいています。「初めて知った商品」「初めて知ったお店」「初めて知った会社」。これらの最初の出会いの場がショート動画になる人は、今後さらに増えていくでしょう。
だからこそ僕は、これから中国市場を狙う企業にとって、ショート動画は外せないマーケティング手法であり続けると考えています。中国市場への挑戦を検討されている方は、ぜひこのショート動画という市場にも目を向けてみてください。
まとめ
中国のSNS人口の割合は、世界的にみても目を見張る高さです。
中国進出の成功には、間違いなくSNSの活用は欠かせないと言えるでしょう。
商品やサービスの分野によって、マーケティング効果が高いSNSプラットフォームは異なりますが、中でもREDはとくに注目すべきアプリです。
REDの本格運用を検討している、もしくは他のSNSプラットフォームも含めて中国SNS運用ノウハウやトレンドが知りたいという企業様は、ぜひSNS運用代行の篤月へお気軽にご相談ください。


