
監修者
株式会社篤月
陳 逸翔広告代理店を退職後、早稲田大学大学院入学&卒業。
累計100社以上の日本企業の中国SNSコンサルティング経験を持つ。
自身も5万以上のフォロワーを中国SNSでもつ、第一線のKOLである。
グローバル化が進む現代において、日系企業はどのように国際的な競争力を身に付けていかなくてはならないのでしょうか。
国際的な競争力を維持するために、1つ重要となるのが給与です。
外国人材を雇う場合、その労働市場をリサーチしたうえで適正な給与を支払わないと優秀な人材はすぐに違う企業に移ってしまいます。
今回は、中国人材に焦点を当てて、日系企業が支払うべき給与を中国市場の給与水準を踏まえて、解説していきます。
なぜ、中国人材の給与水準を理解すべきなのか?

日系企業が中国人材の給与水準を理解することは、ビジネスの戦略や国際的な競争力の向上において重要だとされています。
具体的な理由としては、近年グローバル化が進展する中で、多くの日系企業が海外市場への進出を進めており、特に巨大な市場を持つ中国でのビジネスは競争力が試されています。
また、多様なスキルを有する人材が豊富であり、優秀な人材を採用するためには、労働市場における適正な給与を提示することが鍵になるからです。
さらに、外国人材は企業の文化や待遇に敏感であることから、給与水準を理解したうえでの報酬を提供することによって、社員の満足度を高めることができます。
次に、給与がモチベーションにダイレクトに関わっていることも理由の1つです。
賃金が低い場合、才能のある人材がほかの企業に転職するリスクが高まり、せっかく採用したにもかかわらず定着が見込めません。
しかし、給与水準を理解し、適切な給与を支払う場合は社員も高いパフォーマンスを発揮する傾向があるため、コストをかけた採用活動が活かせます。
最後に、日系企業が国際的な競争力を持つには、市場の給与水準を理解し、公平性や透明性のある企業として魅力を高めていくことも重要です。
中国の給与水準の現状と特徴

中国の給与水準は年々変化しており、製造業における給与水準は上昇しています。
2023年度のデータでは、日系企業の製造業における月収の中央値は約540ドルで、平均値は576ドルに達しています。
給与水準の上昇は、過去10年間から見ても顕著であり、中国で労働力の需要が高まっており、今後の人件費が上昇していく傾向を示しています。
また、地域による賃金格差も見られます。
広州や上海などの大都市では、給与水準が高く、特に北京では平均1,147ドルを記録しています。
その一方で、地方都市では給与水準が低い傾向にあり、地域間の差が大きいです。
さらに、若年層の人口増加や都市化が進む中で、より一層賃金競争が激しくなっています。
製造業においては、都市での雇用環境が改善されることで、より高い技術を有する労働者の確保が求められており、それに伴って給与水準も上がっています。
このように、中国における給与水準は経済成長や都市化によって、差が拡大しているのが現状です。
参考記事:https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2020/cbdf0cefc691ae25.html
日本企業が直面する「給与の壁」

日系企業が中国人材を雇用する際に直面する給与の壁には、文化的な背景と市場の違いが関係しています。
まず、日系企業と中国企業では労働者に対する給与の期待や評価の基準が異なります。
中国の都市部では、優秀な人材が集まっていることから給与水準が上昇しており、多くの求職者が高い給与を期待している状況です。
そのため、日系企業の給与が市場と比べて低い場合、優秀な人材を確保することは厳しいです。
日系企業では、年功序列型の給与制度を導入している企業が多く、経験や勤続年数に基づいて、年収が決まる傾向があります。
そのため、中国人材が日系企業に入社すると給与が低いと感じる場合があります。
さらに、日系企業では実績に応じた報酬の柔軟性があまりなく、こういった評価体系が中国人材にとって不満の原因となります。
国際的な競争力を持つために、多くの日系企業は市場調査を実施し、給与体系を見直す必要があると言えます。
参考記事:https://togetsu.co.jp/column/JU0Q72Io
給与水準を交渉に活かすための戦略

中国人材を雇う日系企業が中国人材と給与を交渉する際に、給与水準に対する理解が重要である理由をまとめていきます。
まずは、業界ごとの給与水準の市場調査をします。
なぜなら、給与水準は業界ごとに大きく異なるため、自社と競合他社の給与や待遇を把握する必要があるからです。
業界ごとのリサーチを実施し、交渉の材料を得ましょう。
職務内容や地域によっても給与水準が異なるため、より具体的な情報を獲得します。
次に、採用する中国人材のスキルや経験値から市場における価値を判断します。
なぜなら、保持するスキルや専門性、これまでのキャリアによって適正な給与が異なるからです。
しかし、厳格な給与を提示し過ぎると成果や成長を評価してもらいにくいと感じてしまうため、柔軟性を見せることもポイントになります。
一部の条件を譲歩したり、給与以外の福利厚生などについても話し合いましょう。
参考記事:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaibs/13/2/13_91/_pdf/-char/en
まとめ

今回は、中国人材を雇う日系企業において、給与水準を理解して適正な給与を支払うことの重要性を解説しました。
中国進出をしている日系企業は、中国の労働市場に則った給与を支払うことで、国際的な競争力を維持することができます。
なぜなら、優秀な人材は市場に適した給与でないとほかの企業に取られてしまうリスクがあり、コストをかけた採用活動を活かすことができないからです。
中国では、業界や地域によって給与水準が異なるため、市場をリサーチし、また個人のスキルや経歴も把握したうえで、給与を交渉しましょう。


