
監修者
株式会社篤月
陳 逸翔広告代理店を退職後、早稲田大学大学院入学&卒業。
累計100社以上の日本企業の中国SNSコンサルティング経験を持つ。
自身も5万以上のフォロワーを中国SNSでもつ、第一線のKOLである。
当たり前に使用しているSNSですが、一般ユーザーでも炎上や権利侵害などを起こしてしまう危険性を秘めています。
今回は、中国SNSに焦点を当て、起きやすいリスクと対策についてまとめていきます。
中国SNSの運用においてリスク管理はとても重要であるため、対応と対策の仕方を押さえていきましょう。
なぜ中国SNSにおけるリスク管理が重要なのか?

中国SNSの中には我々日本人も使用できるものがあります。
しかし、中国SNSだからこそ使用にあたってリスク管理が必要です。
ここでは、なぜ中国SNSではリスク管理が重要なのかを解説します。
中国SNSにおいてリスク管理が必要な理由はいくつかありますが、主な3つを取り上げます。
①政府による規制があるため
中国ではSNSに対して政府による規制が課せられており、SNSの使用は政府の監視下にあるとされています。
特に、政治的なコンテンツや虚偽情報などは、検閲や制裁が伴う恐れがあります。
これは個人アカウントでも企業アカウントでも同じで、SNS関連の法律を破ってしまうと法的リスクが伴うのです。
規制によっては、罰則もあるため、中国独自の法令やルールをきちんと遵守しましょう。
②炎上する恐れがあるため
SNSには虚偽情報や過度な意見が急速に拡散される特性があります。
これは日本のSNSだけでなく中国SNSでも同様です。
誤った情報を大々的に発信することはないから大丈夫だと思っていても、たった一言のコメントや批判的意見は炎上につながるリスクを十分に持っています。
企業アカウントでなく一般ユーザーだったとしても炎上しないようリスク管理が必須です。
③企業ブランドの信用が落ちるため
中国SNSは日本企業が企業アカウントとして運用することが可能です。
そのため、自社ブランドの販路拡大やPRに使用している企業もたくさんあります。
しかし、虚偽情報を流したり、不適切なコンテンツを発信したりすると炎上につながり、ゆくゆくは企業ブランドの信用度にも大きな影響を及ぼします。
信用問題は長期間にわたって企業の利益に影響を与える恐れがあるため、より一層リスク管理が必要です。
法律の遵守はもちろんのこと、ブランドイメージを損ねたり、顧客とのコミュニケーション方法を誤ったりしないよう慎重に中国SNSを運用しましょう。
参考記事:https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00207/011600013/
中国SNS運用における主要なリスク

中国SNSでは炎上やブランドの信用度低下などのリスクが伴うことが理解できたと思います。
ここでは中国SNSの運用において発生しやすい主要なリスクをまとめます。
どんなリスクが起きやすいかを知っておくとリスク管理がしやすくなるため、ぜひ参考にしてみてください。
①絶対的用語の使用
インターネット広告の急激な成長に伴って、中国では広告法が強化されています。
中国SNSにおいてリスクが生じやすいのが、絶対的用語の使用です。
絶対的用語とは、「国家級」、「最高級」、「ベスト」など物事が極上の状態であることを指す用語のことです。
製品やサービスの質の高さを表すワードですが、根拠がなかったり、競合関係に
ある他社のサービスを排除したりしてしまうリスクを秘めています。
たった一言であっても処罰事例が現れているため、十分に注意してください。
②写真やイラストの不正利用
中国SNSでは著作権に関する法律も遵守しなければなりません。
中国SNS運用において多くのユーザーが使用するのが画像や動画などのコンテンツです。
著作権のある写真やイラストを許諾なく勝手に利用したり、改造したりすることはたとえ悪気がなくても処罰の対象になります。
また、プロモーションにおいてタレントやインフルエンサーなどの顔写真を使用する場合も、無断で掲載すると肖像権侵害に当たる恐れもあります。
③KOLの架空注文
中国SNS運用ではKOLやKOCなどインフルエンサーを起用することがあります。
このKOL起用において注意が必要なのが架空注文です。
架空注文は、KOLを装った者を事前に雇い、ライブコマースを実施し、商品を注文させます。
その後ライブコマースが終了したら商品を無料で返品するといった仕組みです。
この架空注文では、ライブコマース中にシステムが売上を記録しますが、実際の売上は記録よりも大きく下回る結果になります。
そのため、契約内容によっては返品にかかる取引に対してもKOLは企業から報酬を受け取れる場合があり、企業側は架空注文による損失を負担しなくてはなりません。
参考記事:https://www.jetro.go.jp/world/reports/2024/02/9822f039402e649e.html
参考記事:https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2024/9822f039402e649e/202401.pdf
プラットフォーム別のリスクと対策

中国SNSにはそれぞれのプラットフォームにおいて特徴があり、起きやすいリスクも異なります。
ここではプラットフォーム別で生じやすいリスクとその対策を解説していきます。
使用しているSNSに合わせて対策を練ってみましょう。
Weibo(微博)
Weibo(微博)は中国版Twitterと呼ばれるSNSで、情報拡散力に長けています。
一般ユーザーであっても情報拡散力を持つWeibo(微博)では、誤解を招く情報や批判的な意見が炎上につながりやすいです。
大勢が注目する話題だとなおさら炎上リスクが高まり、情報拡散力によって瞬く間に広がってしまいます。
そして、発信した情報が小さくても、企業ブランドの信用に深刻な影響を及ぼす恐れがあります。
Weibo(微博)で情報を発信する際は、虚偽情報がないか、否定的な意見が含まれていないかなど炎上要因をチェックしましょう。
RED(小紅書)
RED(小紅書)は、中国版Instagramと呼ばれるSNSであり、画像投稿がメインです。
RED(小紅書)では商品のレビューやコメントが盛んで、ユーザー参加型のコンテンツも多数あります。
しかし、誰もが簡単にコメントできるがあまりに虚偽のレビューが流れやすいです。
虚偽情報に気づかないまま運用していると、ブランドイメージを損なってしまう恐れがあります。
自身の発信内容はもちろんのこと、フォロワーのコメントや反応の管理も重要です。
リスク発生時の対応と事後対策

中国SNSではリスク管理をしていても、予期せぬところで炎上が起きたり、法令が改正されたことに気づかず罰則を受けたりする恐れがあります。
もしリスクが発生してしまったときはどのように対応したらいいのか不安ですよね。
ここでは、リスクへの対応の仕方と事後対策についてお伝えしていきます。
①ストーカーや逆恨み
身の危険があるようなストーカーや逆恨みなどのリスクがある場合は、迅速な対応が求められます。
場合によっては警察などの協力も必要です。
まずは、身に危険を及ぼすリスクを起こさないように個人情報をSNSに書き込みすぎないようにしましょう。
本名や顔写真はもちろんのこと、自宅を特定される写真なども要注意です。
②著作権や商標権の侵害
中国SNSの運用では多数の画像や動画を使用すると思います。
他者が作成したコンテンツを使用する際は、許諾が必要です。
反対に、自身が作ったコンテンツを第三者によって勝手に使用されるケースもあります。
商標権を早期に登録しておくことはもちろん、著作権があることをわかりやすく明記しておくことも対策の一つです。
まとめ

今回は、中国SNSの運用におけるリスク管理について解説しました。
中国SNSにはプラットフォームに応じてそれぞれ特色があり、起こりやすいリスクも異なります。
また、コンテンツ制作が多いことから広告法や著作権、肖像権などの権利理解もとても重要です。
予測できるリスクはきちんと対策し、もしリスクが生じた際は速やかに対応しましょう。
リスクをそのままにせず事後対策も安全に中国SNSを運用するために必要不可欠です。


