
監修者
株式会社篤月
陳 逸翔広告代理店を退職後、早稲田大学大学院入学&卒業。
累計100社以上の日本企業の中国SNSコンサルティング経験を持つ。
自身も5万以上のフォロワーを中国SNSでもつ、第一線のKOLである。
「中国SNSを始めたのに、フォロワーが全く伸びない」「投稿しても反応がゼロ…」そんな悩みを抱える広報担当者の方は少なくありません。
中国のSNS市場は日本の8倍以上のユーザー規模を誇る巨大市場ですが、日本と同じ感覚で運用しても成果は出ません。
本記事では、中国SNSが全く伸びない根本原因を解説しながら、運用を改善するための具体的なポイントをご紹介します。
中国SNSとは?

中国のSNSは、特有のインターネット環境とユーザーの属性により、他国のSNSとは大きく異なる点がいくつかあります。
まず挙げられる特色としては、中国全土には「金盾(きんじゅん)」というインターネット検閲・ブロックシステムが敷かれている点です。このファイアウォール機能により国外のSNSサイト、例えば「Facebook」や「Instagram」などへのアクセスが制限されています。
【中国で使用できない主なSNS】
LINE
Facebook
X(旧Twitter)
Instagram
YouTube
そのため、中国国内で利用されているSNSは、主に中国企業が運営するプラットフォームが中心となっています。
また中国のSNSユーザーは非常に警戒心が高く、簡単に人や情報を信用しない傾向があります。
単純な人気度やブランド力だけで購買を決めることはなく、口コミや評価をネットで徹底的に調べてから判断するのが一般的です。
そのため、中国SNSの運用では「信頼の積み上げ」が日本以上に重要になります。
中国のネットユーザーの数は2024年に10億9200万人を突破しており、この巨大な市場を取り込むことができれば、魅力的な市場の1つとなることは間違いないでしょう。
参考記事:百度百科 SNS社区
企業で、中国SNSを運用するメリット

日本企業が中国SNSを運用することには、多くのメリットがありますが、最も大きなメリットとなるのが日本の8倍以上のSNSユーザーが存在することです。
中国のネット利用数は年々増加しており、この巨大な市場に参入することで、企業にとってのチャンスも広げられ、大きな利益も手に入るでしょう。成長率も高く、将来的なビジネスの拡大にも大きな期待が持てます。
もう一つのメリットとして挙げられるのが、日本との親和性の高さです。日本製品は中国で非常に高い評価を受けており、日本のブランドイメージを上手に生かすことができます。
また、日本と中国の消費者の身体的な親和性、例えば身長や肌の質が似ているため、アパレルやコスメ商品なども欧米に比べて受け入れられやすいのも利点でしょう。
地理的に距離が近いことや、日本語と中国語の両方に精通している人材も多いため、ビジネスインフラも比較的整っていると言えます。
中国のSNSの種類
中国ではVPNがないと利用できないLINEやFacebookはほとんど普及していません。中国でマーケティングを成功させたいのであれば、中国独自の人気SNSを把握しておきましょう。
TikTok(抖音)
TikTok(中国では抖音として知られる)は、字節跳動(バイトダンス)によって開発された短編動画共有アプリで、国内だけでなく、世界中で爆発的な人気を誇っています。
中国国内では抖音として提供されており、ユーザーは15秒から3分程度の短い動画を作成、共有、視聴することができます。
抖音はエンターテイメント性が高く、ダンス、コメディ、料理、ファッションなど、さまざまなジャンルのコンテンツが日々大量に投稿されています。
参考記事:TikTok(抖音)
RED(小紅書)
RED(小紅書)は、中国の若年層女性を中心に人気を博しているSNSで、ライフスタイルやファッション、ビューティーに関する情報共有を目的としています。
小紅書は中国版のInstagramやPinterestとも呼ばれ、ユーザーが写真や動画を投稿し、商品レビューや美容の秘訣を共有する場として利用されています。
特に女性ユーザーに強い影響力を持っており、インフルエンサーや一般ユーザーによるポジティブな口コミを通じてブランドイメージを高める絶好の機会となります。
参考記事:RED(小紅書)
Weibo(微博)
Weibo(微博)は、中国の大手インターネット企業である新浪(Sina)が運営しているSNSです。140文字以内でテキストを投稿できるだけでなく、画像や動画の共有も可能であり、中国版のX(旧Twitter)と呼ばれています。
Weiboの総ユーザー数は5億人以上に達しており、1日当たりのアクティブユーザー数は1億8400万人にも上る中国最大のSNSの一つです。
Weiboの公式アカウントには、アイコンに「V」のマークが記載されます。この「V」マークは、アカウントの信頼性を示す証拠となり、企業やブランドは信頼性を確保しやすくなります。
参考記事:Weibo(微博)
WeChat(微信)
WeChat(微信)は、中国のテクノロジー大手であるテンセント(Tencent)が開発・運営している多機能メッセージングアプリで、LINEやWhatsAppと同じ使用感で利用できます。
単なるメッセージングアプリにとどまらず、SNS機能やモバイル決済、オンラインショッピングなど、さまざまな機能を統合したスーパーアプリとしても利用されています。
WeChatの利用者数は10億人を超えており、日常生活の一部として深く浸透しているため、この膨大なユーザー層を取り込むことができれば、企業にとって非常に魅力的なマーケティングチャネルとなるでしょう。
参考記事:WeChat(微信)
中国SNSの運用が全く伸びない原因とは?

中国SNSの運用が全く伸びない原因はさまざま考えられますが、以下のようないくつかの主要な要因が挙げられます。
文化的な違いや国民性の理解不足
金盾による技術的な難易度
中国市場のマーケティング戦略への対応が不十分
もっとも大きな要因としては、文化的な違いとユーザーの嗜好が大きく影響しています。
中国のSNSユーザーは、西洋や日本のユーザーとは異なるコンテンツやコミュニケーションスタイルを好んでいます。
例えば、短い動画やライブストリーミングが人気ですが、これを満たさないコンテンツは簡単に見捨てられるため、対応できていない企業は苦戦するかもしれません。
また技術的な課題も見逃せません。中国では政府によるインターネット規制が厳しく、外資系企業はその対応に苦慮するでしょう。
中国SNSの運用が全く伸びない時、どうすればいい?
中国のユーザーは独自の文化や嗜好を持っており、それを無視したコンテンツやマーケティング戦略は成功しません。
まず取り組むべきは、中国現地のトレンドやユーザーの関心事を徹底的にリサーチし、それに基づいたコンテンツ設計を行うことです。
「なぜ伸びないのか」の原因を特定せずに投稿を続けても、改善にはつながりません。
自社での対応が難しい場合は、中国市場とSNS運用の両方に精通した専門のマーケティング会社への依頼も有効な選択肢です。
専門的な知識と経験を持つパートナーと協力することで、効果的な戦略をすばやく実行でき、より高い成果も期待できるでしょう。
中国SNS成功のポイント

中国SNS成功のポイントとして最も重要なのが、いかに言語や国民性を理解するかです。そのためにも言語の壁を克服するためにネイティブな中国語が話せるスタッフを雇うことが不可欠です。
言語に違和感があると、ユーザーはコンテンツに対して信頼感を持ちにくくなります。
現地の言葉で自然なコミュニケーションを取ることができるスタッフが1人いるだけでも、ユーザーとの距離をぐっと縮められ、信頼関係を築くために重要な役割となってくれるでしょう。
篤月代表 陳逸翔の所感
日本企業から「中国SNSが全然伸びません」という相談を受けることがあります。
こうした声に対して、私はまず「媒体選定の問題ではない」とお伝えするようにしています。
REDがよいのか、DOUYINがよいのか。
このような議論が先行しがちですが、多くの場合、問題はもっと根本的なところにあります。
たとえば「REDで画像投稿を頑張っているのに伸びません」という相談ですが、実はある意味では当然の結果だと思います。
REDの画像投稿は、10本投稿して1本当たるかどうかの世界だからです。
15本に1本、場合によっては20本に1本かもしれません。
すべての投稿が伸びるという前提自体がそもそもズレているのです。
伸びない投稿が大量にあるのは「普通」のことなのではないでしょうか。
大切なのは、その中から「当たり投稿」をいかに生み出せるか、という視点です。
動画についても同様です。
伸びない動画には共通した原因があります。
サムネイルが弱い、タイトルが弱い、もしくはユーザーが求める情報になっていないなどです。
日本企業のアカウントを見ていると、あるパターンが目につきます。
「TikTok用に作った動画に中国語字幕をつけてDOUYINに投稿した」というケースです。
手軽ではありますが、それで成果が出るほど中国SNSは甘くありません。
理由はシンプルです。
見ているユーザーが根本的に違うからです。
「文化が違う。知りたい情報が違う。保存したいと思うポイントも違う。」
日本向けコンテンツを翻訳しただけでは、中国ユーザーの心には届きにくいことがわかりますよね。

では、どうすればよいのか。
答えはシンプルです。
最初から中国人向けに企画し、撮影し、編集する、これに尽きます。
特別な裏技はありません。
中国人が見たいものを、中国人向けに届けるというこの一点を徹底できるかどうかが、伸びるアカウントと伸びないアカウントを分ける境界線です。
自社内で対応できるならそれがベストです。
ただ、リソースや知見の面で難しいのであれば、中国向けコンテンツ制作を得意とする会社に依頼することも、現実的かつ効率的な選択肢です。
「なぜ伸びないのか」を媒体のせいにする前に、まずコンテンツそのものを見直してみてください。

まとめ
中国SNSが全く伸びない背景には、文化・言語・規制環境など、日本とは異なる要因が複合的に絡み合っています。
成功のカギは、中国独自の「市場」「国民性」「ニーズ」を深く理解した上で、適切な戦略を立てることです。
現地トレンドや文化を尊重しながらオリジナリティのあるコンテンツを届けることで、はじめてユーザーの心をつかむことができます。
「どこから手をつければいいかわからない」という方は、中国人材の活用も含めた運用改善を、ぜひ篤月にご相談ください。


