
監修者
株式会社篤月
陳 逸翔広告代理店を退職後、早稲田大学大学院入学&卒業。
累計100社以上の日本企業の中国SNSコンサルティング経験を持つ。
自身も5万以上のフォロワーを中国SNSでもつ、第一線のKOLである。
中国進出にあたって、中国人材を雇う日系企業が増えてきています。
中国でビジネスを展開する場合、日系企業は中国の法律を守らなければなりません。
しかし、法改正や手続きの複雑さなどにより、理解が難しい部分があります。
今回は、中国人材の採用で失敗しないように、注意すべき中国の法務と基礎知識を解説していきます。
中国人雇用おける法的課題

日系企業が中国人材を雇用する際には、複雑な法律制度や規制を遵守する必要があります。
そして、歴史的な背景や経済、文化の違いなどから生じるさまざまな法的課題が存在します。
まずは、中国人材を雇う際に必要な就業許可やビザの取得についてです。
中国人材を雇用する際には、就業許可証を取得しなければなりません。
しかし、この手続きは煩雑で、各地域ごとに異なる要件を満たなければならず、企業側は細心の注意が必要です。
特に、中国の法律においては特殊技能を必要としない単純労働はできないとされているため、職務の制約が課されています。
これが日系企業が中国人材を採用して、新たに業務をスタートする際の障害となっています。
次は、現地人雇用の義務についてです。
日系企業が中国市場に進出して会社運営を行う場合は、その地域における現地人を雇用する義務があります。
これには、労働市場の状況や政治的要因によって、その地域に根ざした経営が求められていることが関与しています。
中国に進出した企業が、現地人を雇用しない場合、政府からの圧力や制裁を受けてしまうケースがあります。
さらに、中国では労働契約の締結が法律で義務付けられており、雇用者は労働者との間に書面による契約を結ばなければなりません。
労働者は性別や年齢などにかかわらず平等な権利を有しているため、企業は労働契約法によって、労働者の権利を守る必要があります。
また、現地の法律に従って、従業員に対して社会保険に加入し、その保険料を納める義務もあります。
社会保険に関する手続きは頻繁に条例や規則が変更されることから複雑であり、定期的に法令を確認する必要があります。
最後に、中国人材を採用する企業は、文化的なハードルを乗り越えて、適切な職場を提供することに努めなければなりません。
中国人の価値観や働き方のスタイルを理解し、異文化への理解を深めましょう。
雇用フェーズ別!注意すべき法務事項

日系企業が中国人材を採用する場合、法務においてたくさん注意事項があります。
まずは、適切な在留資格を取得することです。
中国人材が従事する業務に適した専門的・技術的分野における在留資格を得なければなりません。
しかし、この手続きは複雑であるため、雇用契約の内容や業務内容に基づいて、確実に取得できるよう専門家のサポートを受けることを推奨します。
次に、労働契約の締結です。
契約において、賃金や業務内容、勤務時間、休日などの条件を明示します。
契約書は日本語だけでなく中国語や英語でも用意し、労働者が理解できる書面を作成しましょう。
続いて、外国人雇用状況の届出です。
外国人材を雇用する企業は、外国人材の雇入れや離職をハローワークに報告する義務があります。
これは、在留資格の適正な管理に影響するため、必要な報告義務を怠らないように注意してください。
また、外国人材に対しても、日本人従業員と同等の労働条件を適用しなければなりません。
同じ業務内容を任せているにもかかわらず、待遇面が異なるような、不当な労働は禁止されています。
最低賃金法や労働時間に関する規則を守り、違反しないように注意してください。
最後に、採用活動における経費についてです。
在留資格の申請手数料や、日本もしくは中国での生活で必要なサポートに関するコストも事前に考慮する必要があります。
参考記事:https://www.jetro.go.jp/hrportal/forcompanies/procedure/before.html
参考記事:https://jsite.mhlw.go.jp/okayama-roudoukyoku/content/contents/001208581.pdf
中国の労働関連法規の基礎知識

日系企業が中国人材を採用するにあたって、労働関連の中国の法規を知っておく必要があります。
ここでは、中国の労働関連の法規の基礎知識をまとめていきます。
まず、労働契約法です。
労働契約法では、雇用契約の締結や変更、解除に関する基本的な規則が定められています。
書面による契約締結の場合は、従業員との間で1ヵ月以内に労働契約を締結する必要があり、契約がなされない場合は未払い金の2倍を支払う義務が生じます。
また、試行期間も一般的には雇用契約に含まれ、使用期間中の賃金は最低賃金の80%以上である必要があります。
次は、労働法です。
労働者の権利保護や最低賃金、労働時間などについて規定している法律です。
法定の標準労働時間は1日あたり8時間、週で40時間を超えないように定められています。
また、残業についても法律によって制限されており、残業した場合には追加で賃金の支払いが必要です。
続いては、社会保険です。
企業は基本的な社会保険に従業員を加入させる義務があり、基本養老保険、基本医療保険、労災保険、失業保険、出産・育児保険などが含まれています。
近年、法改正によって、外国人労働者もこれらの社会保険に加入することが義務付けられました。
次は最低賃金法です。
各地域によって最低賃金が定められており、地方政府によって毎年見直しされます。
そのため、企業は毎年最低賃金を見直し、最低賃金以上の給与を支払わなければなりません。
最後に、労働組合についてです。
中国では、労働組合が法律に基づいて労働者を保護する役割を果たしています。
雇用契約の変更や解雇の際には、労働組合との協議が求められることがあります。
参考記事:https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kaigai/17/dl/03.pdf
まとめ

今回は、中国人材を採用するにあたって、知っておくべき法務の知識について解説しました。
中国市場に進出し、ビジネスを進める場合には、中国における法律や規則を遵守しなければなりません。
また、地域ごとによって法令内容が異なるものもあるため、注意が必要です。
特に、雇用契約や給与に関する法律は労働者を安全に雇用するために重要なため、専門家のサポートを受けながら、適切に守りましょう。


