
監修者
株式会社篤月
陳 逸翔広告代理店を退職後、早稲田大学大学院入学&卒業。
累計100社以上の日本企業の中国SNSコンサルティング経験を持つ。
自身も5万以上のフォロワーを中国SNSでもつ、第一線のKOLである。
小紅書(RED)とは?

小紅書(RED)は、2013年に上海で誕生したInstagramのような写真重視のSNSとECサイトが融合したプラットフォームです。
月間アクティブユーザー数は3億人を超え、女性ユーザーが多いことが特徴です。
小紅書(RED)のユーザーは投稿を通じて、商品レビューや旅行記、美容・ファッション関連の体験談などをシェアしています。
ユーザーの80%はZ世代を含む30歳未満の若年層で、大都市に住む購買力の高い層の利用が多いです。
現在、小紅書(RED)は、中国人にとって単なるSNSではなく「検索エンジン」としての役割も果たしており、商品購入や旅行計画の際に必ず参照する情報源となっています。
そのため、日系企業にとって、小紅書(RED)の活用は中国市場へのアプローチやインバウンド集客において欠かせないマーケティングツールと言えます。
参考記事︙https://togetsu.co.jp/column/qRvlrPgX
日本企業の小紅書(RED)活用状況

現在、多くの日本企業が小紅書(RED)を単なる「宣伝のためのSNS」ではなく、現地のリアルなニーズを汲み取る「マーケティング・リサーチの場」として活用しています。
特に、化粧品、食品、日用品メーカーでは、公式アカウントによる情報発信に加え、KOLへのサンプリングを通じた口コミ創出が一般的です。
また、観光業や小売業においても、店舗への来店動機を作るために「日本でしか買えない限定品」や「現地の隠れた名所」を小紅書(RED)独自のトーンで発信する事例が増えています。
しかし、日本企業が小紅書(RED)を活用するには、課題もあります。
たとえば、日本語をそのまま翻訳した現地人には違和感のある投稿や、広告色の強すぎるコンテンツは、ユーザーに敬遠されがちです。
そのため、中国のトレンドや言語感覚に精通した中国人材を雇用し、ローカライズされた運用を行う企業が成果を上げています。
小紅書(RED)の運用を進める日本企業は、ユーザーとの直接的なコミュニケーションを通じて、ブランドの新しいファンを育てるフェーズを意識しましょう。
小紅書(RED)の活用事例

日本企業が小紅書(RED)の活用に成功した事例をご紹介します。
1つ目に、ドン・キホーテの公式アカウントでは「日本旅行で注意すべき8点」という投稿が高いエンゲージメントを獲得しました。
単なる商品宣伝ではなく中国人観光客目線での有益情報を発信することで信頼を獲得した事例です。
2つ目に、文房具メーカーのコクヨは「2024日本文房具ブランド展のお知らせ、プレゼント企画」を実施し、抽選プレゼント企画によって認知度とブランドロイヤリティの向上に成功しています。
また、観光施設では「空港までの配送サービス」といったインバウンド観光客向けの実用的なサービス情報が注目を集めました。
小紅書(RED)運用の成功のポイントは、単なる商品紹介ではなく、ユーザーにとって実用的で共感できるコンテンツを提供することです。
そのため、「日本旅行で買うべきお土産ランキング」や「必ずやるべきことリスト」など、体験価値を伝える投稿が効果的だとされています。
参考記事:https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/03/c1325d6831a7117c.html
小紅書(RED)を活用するときのポイント、注意点

小紅書(RED)を活用するときに、注意しなければならないのが中国特有の規制と文化への配慮です。
まず、広告目的の投稿には「広告表示」の明示が法律で義務付けられており、インフルエンサーを起用する場合も必ずPR表記が必要です。
投稿内容については、政治的に敏感な表現や中国文化を誤って表現するコンテンツは削除やアカウント停止のリスクがあるため、注意してください。
また、日本の文化表現を中国文化と混同した記述にも注意が必要で、過去にはチャイナドレスを日本の芸者風と誤表記した事例では大きな炎上に発展したことがあります。
データプライバシーに関しては、中国のサイバーセキュリティ法により国内サーバーへのデータ保存が義務付けられているため、ユーザーデータ管理には慎重な対応が求められます。
さまざまな規制がありますが、小紅書(RED)の運用を成功させるには、独自のアルゴリズムを理解することがポイントです。
実際にフォロワー数よりもコンテンツの質が優先され、新規アカウントでも良質なコンテンツであれば上位表示される仕組みとなっています。
エンゲージメント率が表示順位に影響するため、共感を呼ぶリアルな体験談やユーザーにとって有益な情報発信を心がけて運用しましょう。
参考記事:https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2024/9822f039402e649e/202401.pdf
まとめ

今回は、小紅書(RED)を活用した日本企業の事例を取り上げました。
小紅書(RED)は、月間3億人以上が利用する中国最大級のソーシャルコマースプラットフォームで、SNSと検索エンジン、EC機能を融合した独自のシステムを構築しています。
若年層女性を中心とするユーザー層は購買意欲が高く、日本製品や日本旅行への関心も強いため、日系企業にとって重要なマーケティングツールとなっています。
実際に、大手企業から、中小企業、自治体まで幅広い主体が小紅書(RED)を活用しており、商品認知向上やインバウンド集客で成果を上げています。
日本企業の成功事例に共通するのは、広告的な表現を避け、ユーザー目線での実用的な情報やリアルな体験談を提供している点です。
中国SNSの運用では、中国特有の法規制や文化的配慮、データプライバシー管理など、注意すべきポイントがたくさんありますが、現地の文化理解と継続的なコンテンツ発信、専門知識を持つパートナーとの連携などで日本企業でも運用を成功させることができます。


