
監修者
株式会社篤月
陳 逸翔広告代理店を退職後、早稲田大学大学院入学&卒業。
累計100社以上の日本企業の中国SNSコンサルティング経験を持つ。
自身も5万以上のフォロワーを中国SNSでもつ、第一線のKOLである。
労働力不足の課題とグローバル化を受けて、中国人材を採用する日系企業が増えています。
しかし、言語や文化の違いから採用した中国人材が辞めてしまう、定着率が低いという課題も見られています。
そこで、今回は中国人材が辞めたくないと思う企業にするために理解すべき中国人材のキャリア志向について解説していきます。
違いがあるからこそ企業が理解すべきことで定着率を高められるポイントがあるので、しっかりおさえましょう。
なぜ今、中国人材のキャリア志向を理解すべきなのか?

中国市場に進出する日系企業が増えている中で、中国人材のキャリア志向を理解することはより一層重要になっています。
この背景には、労働市場の変動や経済の成長、そして国際的な競争などさまざまな要因が関わっています。
第一には、中国経済の急成長によって、中間層が拡大し、求職者が求めるキャリアが変化していることが挙げられます。
特に、質の高い教育を受けたとされている若い世代は、業務内容や企業文化だけでなく、自己成長やワークライフバランスを重視する傾向が高まっています。
次に、労働力が不足している日本では国際的な競争力を維持するために、優秀な外国人材を採用しなければならないという課題が挙げられます。
中国の人材市場は世界的に見ても、熾烈な競争の場となっており、特にITや最先端技術の分野における優秀な人材の取り合いが激化しています。
転職へのハードルが低いという中国人の気質から優秀な人材は、魅力的な仕事が見つかれば他社に移動するスピードが早いです。
そのため、企業は魅力的で明確なキャリアパスを提示し、定着と育成を図らなければなりません。
さらに、中国人のみならず外国人を採用する際は、価値観や文化の理解のためにも彼らのキャリア志向を理解することが重要です。
キャリア志向を理解することで、コミュニケーションが取りやすくなったり、チーム全体のパフォーマンスを向上したりできます。
参考記事:https://hosei.ecats-library.jp/da/repository/00008802/13_cd_10_kasai.pdf
中国人材のキャリア志向を形作る背景

中国人材のキャリア志向は、歴史や経済の変化によって形成されてきました。
1980年代には改革解放政策を期に、中国経済は急激に成長しました。
この時期に、企業の多様化や国際化が進み、多くの職業が生まれ、都市部では外国企業の進出が進んで行ったのです。
また、教育制度の変化も鍵であり、政府は教育改革を進め、高等教育の普及と質の向上に力を入れました。
それにより、大学進学率が向上し、理系や専門技術者が多くなったことから、キャリアについて考える人材育成が発展したのです。
さらに、グローバル化も影響を与えており、中国企業が国際的な競争に入っていくことで、よりスキルの高い人材採用が必要不可欠となりました。
多くの若者は海外留学やインターンを経験し、国際的な視野を得たことから、市場価値を高めることに意欲的な姿勢を持ちました。
以上のような背景から、中国人材のキャリア思考は、自己成長や国際的な競争の中での市場価値を高めることにシフトしています。
企業は、キャリアプランを明確に提示し、フィードバック面談などで具体的なサポートやトレーニングプログラムを提供することが求められています。
参考記事:https://www.jil.go.jp/institute/reports/2012/documents/0147_01-4.pdf
中国人材のキャリア志向に見られる5つの特徴

①教育重視
中国の若い世代は、質の高い教育を受けてきた世代であり、キャリアにおいても教育制度の充実を重視しています。
また、企業側も専門知識や国際的な経験のある人材を求める傾向にあります。
したがって、さまざまなトレーニングプログラムや研修制度を導入しましょう。
②成果主義
中国企業では、成果に基づく評価が一般的です。
そのため、個人の業績を明確に示すことが求められます。
また、競争意識も高く、社員はそれぞれの業績向上を目標としています。
③スキル重視
中国では、スキルが重要視されているため、学生の頃からインターンやアルバイトを通じて実務経験を積んでいます。
企業も経験者の採用を優先する傾向があるため、スキルアップがポイントです。
④グローバル志向
外国企業の進出が多い中国では、国際的な経験や異文化への理解が重要視されています。
そのため、語学力や国際的なシーンでのビジネス経験が求められます。
特に、英語や日本語など、実用的な言語のスキルが高い人材は需要が高く、グローバルに活躍できるキャリアが期待できます。
⑤プライベートの充実
中国人材は、ワークライフバランスを重視しており、働き方の柔軟性を求めています。
特に、若い世代は自身のライフスタイルや価値観に合った企業を選ぶ傾向があります。
また、福利厚生や待遇の充実も企業選びに影響しています。
日系企業で中国人材のキャリア志向が衝突するポイント

日系企業で働く中国人材は、中国人材ならではのキャリア志向が日系企業の考えと違い、衝突することがあります。
まず、働き方の面では中国人材は成果を重視する傾向が強く、短期間での目に見える結果を求めています。
その一方で、日系企業は長期的な人間関係の構築を重視し、時間をかけて成長をサポートしていきます。
次に、評価基準の違いも明確です。
中国では、評価がダイレクトであり、具体的な数値や目に見える結果が判断されます。
反対に、日系企業では協調性やコミュニケーション力も見られており、総合的に判断されるため、中国人材は自身の成果が適切に評価されていないと感じる恐れがあります。
さらに、キャリアパスについても違いがあり、日系企業はまず広範な業務経験が求められる一方で、中国企業では早期にキャリアを特化させたいという傾向が現れています。
参考記事:https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/59640/28586_Dissertation.pdf
中国人材のキャリア志向を活かすための実践戦略

日系企業で働く中国人が自身のキャリア志向を活かすには、文化の共通点を活用することが大事です。
日系企業の多くはチームワークを重視しているため、中国人の協調性やグループ活動の姿勢を活かしましょう。
そして、言語スキルも武器になります。
ビジネスレベル以上の日本語を習得し、日中間の橋渡し役となれば、キャリアの幅も広がります。
最後に、自己成長を追求することです。
日系企業でも中国企業でもスキルの向上が求められるため、新しい知識や技術を積極的に学び、仕事に反映させることが重要です。
市場価値を高めるだけでなく、昇進にもつながります。
まとめ

今回は、中国人材特有のキャリア志向について解説しました。
中国人材を採用する日系企業は中国のキャリア志向を理解し、定着を図れるよう彼らが働きやすい環境づくりを意識しましょう。
文化や言語の違いで衝突する可能性がありますが、共通点もあるため、折り合いをつけるポイントを見つけましょう。


