
監修者
株式会社篤月
陳 逸翔広告代理店を退職後、早稲田大学大学院入学&卒業。
累計100社以上の日本企業の中国SNSコンサルティング経験を持つ。
自身も5万以上のフォロワーを中国SNSでもつ、第一線のKOLである。
中国について

外務省のデータによると、中国は日本の約25倍に及ぶ広大な国土と、約14億人という世界最大級の人口を抱える巨大国家と言われています。
主要民族である漢民族のほか、55の少数民族が共存する多民族国家であり、一国の中に多様な文化圏が内包されています。
経済面では、米国に次ぐ世界第2位のGDPを誇り、特にハイテク産業やデジタル経済の発展が進んでいます。
そのため、地理的にも近しい日本にとって中国は最大の貿易相手国であり、ビジネスにおける相互依存関係は極めて強固です。
近年、中国国内の都市化率は66%を超え、北京、上海、広州、深圳といった一線都市を中心に高度な教育を受けた層が次々と労働市場に参入しており、人材市場は競争が激しくなっています。
このように、中国は日本にとって単なる隣国という枠を超え、世界経済のエンジンであり、かつ多様なバックグラウンドを持つ人材の宝庫であるという認識が広がっています。
参考記事:https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/data.html
中国人の国民性や特徴

中国人の国民性を理解する上で重要なのは、広大な国土と多様な民族構成がもたらす地域性の違いです。
一般的に、中国人は家族や親族との絆を非常に重視し、「関係(グアンシー)」と呼ばれる人間関係のネットワークを大切にするとされています。
ビジネスにおいても、信頼関係の構築が契約以上に重要視される傾向があります。
また、実利主義的な側面も強く、具体的な成果や目に見える利益を重視します。
それに伴って、教育熱心で向上心が高く、自己成長のための学習意欲も旺盛です。
しかし、一方で、面子(メンツ)を非常に重視する文化があり、職場でも公の場での批判や叱責は避けるべきとされています。
近年、都市部の若い世代は国際的な価値観も取り入れつつありますが、伝統的な価値観も根強く残っており、こうした中国特有の文化的背景を理解することが、中国人材との良好な関係構築のために大切です。
中国人の仕事観

ASEMの調査報告によると、中国人の仕事観は会社への帰属ではなく、個人のキャリアアップと自己実現に重きが置かれていることがわかります。
そのため、日本の終身雇用のような概念は希薄で、仕事は自分のスキルを磨き、より高い報酬や地位を得るための手段と捉える傾向が顕著です。
具体的には、成果に対する正当な給与や昇進を強く求め、自分の専門性が発揮できない、あるいは成長が止まったと感じると、躊躇なくステップアップのための転職を選択します。
また、仕事とプライベートの境界線がはっきりしており、実利を重視するため、残業を嫌うわけではありませんが、それが報酬やキャリアに直結しない場合はモチベーションの低下につながってしまいます。
その一方で、自分が納得した目標に対しては、驚異的な集中力と当事者意識を発揮し、スピード重視で成果を上げようとする非常に効率的な仕事の進め方を好むのが、中国人の仕事観です。
参考記事:https://asemlllhub.org/wp-content/uploads/2021/06/ASEM_WPL_Report_China_20101102.pdf
出身地と世代で変わる中国人の仕事観

中国人の仕事観を理解するうえで、「中国人」と一括りにして考えるのは危険です。
特に、世代間ギャップは凄まじく、改革開放後の競争社会しか知らない20代は、上の世代よりも個人の自由やワークライフバランスを重視する傾向にあります。
20代の彼らにとって仕事は生活の一部であり、自己表現の場でもあるため、単なる高給よりも働きがや職場の雰囲気を重視する傾向が強まっているのです。
また、国土が広大な中国では地域による差も無視できません。
上海や深圳などの沿岸部出身者は、国際感覚が豊かで競争を好むビジネスパーソン気質が強いです。
その一方で、内陸部出身者は保守的で安定を求める傾向があるなど、出身地によってコミュニケーションの取り方が異なります。
さらに、日本での就労経験があり日本型の価値観を理解する層と、中国国内のスピード感で動く層でも仕事の仕方は変わります。
中国人材を採用する時には、出身地や成長背景、どの世代に属しているかを把握し、個々の価値観に合わせたマネジメントを行うことが採用活動での失敗を防ぐ鍵となります。
まとめ

今回は、中国人材を採用する前に知っておきたい中国人の仕事観について解説しました。
中国は広大な国土と発展した経済圏を有する国で、そこで育まれた国民性は「面子」を重んじ、合理的かつスピード感に溢れています。
そんな中国人の仕事観は自己成長と実利を核としており、日本企業独自の会社への忠誠心よりも個人のキャリア形成やステップアップを優先する傾向にあります。
しかし、世代や地域によってその価値観は変化しているため、注意が必要です。
20代の若い世代ほど働きやすさを重視しており、沿岸部出身者は国際的な競争力を求めていたりします。
出身地や世代での違いを理解せずに一律の対応をすることは、ミスマッチや早期離職といった採用の失敗を招く原因となります。
株式会社篤月では、こうした中国人の個々の価値観の細かな違いを理解し、貴社の社風にマッチする採用活動のサポート支援をしております。


