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中国ライブコマース市場で見られる迷惑行為の実態について

中国ライブコマース市場で見られる迷惑行為の実態について コラム
陳 逸翔

監修者

株式会社篤月

陳 逸翔

広告代理店を退職後、早稲田大学大学院入学&卒業。
累計100社以上の日本企業の中国SNSコンサルティング経験を持つ。
自身も5万以上のフォロワーを中国SNSでもつ、第一線のKOLである。

中国ライブコマースの迷惑行為:コメント荒らしとスパムの実例


中国のライブコマースのコメント欄では、様々な迷惑行為が報告されています。

コメント欄でのスパムや荒らしは、視聴体験を損ない、配信者やプラットフォームに深刻な影響を与えています。

最も多く報告されている迷惑行為は、URL付きスパムコメントです。

特定のURLを含むコメントが複数のアカウントから大量に投稿され、コメント欄を圧迫してしまいます。

短縮URLから始まるリンクが代表的であり、フィッシングサイトや詐欺サイトへ誘導する悪質なものが多く見られます。

自動投稿されている場合もあり、手動でブロックしても次々と新しいアカウントから投稿されるため、配信者や運営側は対処が困難な状況です。

さらに、広告・宣伝目的のスパムも深刻な問題です。

「このリンクをクリックすると特別な割引が受けられます!」といった情報商材や投資話への誘導コメントが頻繁に投稿されています。

動画内容とは全く無関係な商品やサービスのリンクが貼られ、視聴者を外部サイトへ誘導しようとするものです。

アフィリエイト収益を目的としたブログのURLを無差別に貼り付けるケースも多く、コメント欄が広告の場と化しています。

荒らし行為としては、配信中に特定の絵文字やテキストを大量に連投する行為も見られます。

特定の文章を含むコメントが繰り返し投稿されてしまうと、正常なコメントが流れてしまい、視聴者同士のコミュニケーションが妨げられます。

また、配信者や他の視聴者を誹謗中傷するコメント、差別的な発言、不適切な言葉を繰り返し投稿する悪質な荒らしも存在するのが現状です。

これらのスパムや荒らしは、視聴者が悪質なリンクをクリックしてウイルス感染や個人情報漏洩のリスクにさらされるだけでなく、配信者のチャンネルの信頼性を損ない、視聴者離れを引き起こす原因となります。

中国ライブコマースの偽レビューと過大表現が招くリスク


中国のライブコマースにおける偽レビューや過大表現は、視聴者に誤った情報を与えるだけでなく、法律違反として深刻な罰則を受けるリスクがあります。

リアルタイム配信という特性から、勢いのある表現が生まれやすく、気づかないうちに誇大広告となってしまうケースが多発しているのが現状です。

偽レビューの典型例としては、サクラによる「満足度98%」「効果抜群」といった根拠のない高評価コメントの投稿があります。

実際には使用していない商品をあたかも体験したかのように装うレビューは、景品表示法における優良誤認表示に該当します。

また、配信者が「全員が効果を実感」「誰でも痩せられる」といった断定的な表現を使うことも、科学的根拠がない場合は虚偽・誇大広告とみなされます。

過大表現の問題は、ライブコマース特有の臨場感が生み出しているという側面もあります。

「今だけ」「限定○個」といった緊急性を煽る表現や、「業界最安値」「No.1商品」といった最上級表現は、裏付けとなる合理的な根拠がなければ不当表示となります。

これらの違反行為に対する罰則は極めて厳しく、景品表示法違反の場合、措置命令により問題表示の中止・訂正・再発防止措置が命じられ、企業名と違反内容が公表されます。

さらに、課徴金制度により違反行為で得た売上額の3%相当の金額を納付する義務が課され、大規模な違反では億単位の課徴金となるケースもあります。

そして、金銭的な損失以上に深刻となるのが、社会的信用を失うことです。

SNSやネット上での批判拡散、取引先や顧客からの信頼低下、株価の下落など、企業活動全体に長期的な悪影響を及ぼしてしまいます。

一度失った信頼を取り戻すには多大なコストと時間を要するため、ライブコマースを行う事業者は、配信前に表現内容を厳重にチェックし、根拠のある正確な情報提供を徹底しましょう。

参考記事:https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/meeting_materials/assets/representation_cms216_211126_02.pdf

迷惑なクーポン乱用と連続購入キャンセルの弊害


中国のライブコマース市場では、クーポン乱用や高率な返品・キャンセルが深刻な問題となっています。

典型的な問題は、複数のアカウントでのクーポン重複取得や、購入意思のない大量購入と返品です。

中でも悪質なのが、AIサクラを使った販売者が返品ルールを悪用し、販売者に甚大な赤字をもたらすケースです。

悪質な行為が増えたことから、ECプラットフォームの返品率は30%から80%超に急増しています。

2017年施行の「7日以内理由を問わない返品」制度が悪用されているため、衝動買い後の返品が多発しているのです。

これにより、品質・商品説明の乖離、保証問題などの苦情が激増しており、優良なアパレルEC事業者が撤退する事態に陥っています。

また、2024年7月施行の「消費者権利保護法実施条例」で販売者情報の明確化が義務付けられましたが、法整備だけでは不十分であり、ライブコマース市場の健全な発展にはプラットフォーム、販売者、消費者の三者によるモラルと責任ある行動が不可欠と言われています。

迷惑な個人情報流出とDM勧誘のパターントラップ


中国のライブコマースでは、個人情報を悪用した悪質な勧誘が存在します。

消費者がクーポンや限定特典を得るため、あるいは抽選などのキャンペーンに参加するために、安易に氏名、電話番号、住所などの個人情報を入力させられるパターンが頻繁に見られます。

問題とされているのは、ライブ配信中に「公式アカウント」と偽った第三者が、コメント欄や非公開のDMで偽のリンクを送りつけ、フィッシングサイトへ誘導する手口です。

この手口では、決済情報を含む機密性の高い個人情報が盗み取られるケースが多発しています。

また、購入履歴がある顧客に対し、別の商品や投資話を執拗にDMで勧誘する行為も増えています。

販売者が顧客データベースを流用したり、外部業者に売却したりすることで、消費者側には「なぜ個人情報を知っているのか」という強い不信感と迷惑行為を与えています。

プラットフォーム側は監視を強化していますが、巧妙化する手口に追いつけず、消費者自身が自衛する必要があります。

中国ライブコマース運営における対策とペナルティ制度


深刻化する中国のライブコマースでの迷惑行為に対し、主要なECプラットフォームは取り締まりを強化しています。

根源である不正行為と高すぎる返品率への対策が急務です。

プラットフォーム側は、AIサクラや複数アカウントを使ったクーポン不正取得に対し、アカウント凍結や販売収益没収などの厳格なペナルティを導入しています。

また、高すぎる返品率を問題視し、返品率が一定基準を超えた販売者に対しては、検索結果の表示順位を下げる、ライブ配信を制限する、あるいはアカウントを停止するなどの措置を取り始めています。

さらに、虚偽的な販売手法や商品品質のクレーム対策としては、ライブ配信データの監視を強化しており、誇大広告や誤認を招く表現には即座に警告しています。

しかし、ペナルティ制度だけでは根本解決には至っておらず、優良な販売者には返品コストを補填する仕組みや、消費者への啓発活動など、ライブコマース市場全体のモラル向上に向けた多角的な対策が求められている状況です。

参考記事:https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/internet/trouble/internet.html

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