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中国人材を雇用する日系企業の必須対策:WeChat Workの活用で防ぐ顧客持ち逃げリスク

中国人材を雇用する日系企業の必須対策:WeChat Workの活用で防ぐ顧客持ち逃げリスク コラム
陳 逸翔

監修者

株式会社篤月

陳 逸翔

広告代理店を退職後、早稲田大学大学院入学&卒業。
累計100社以上の日本企業の中国SNSコンサルティング経験を持つ。
自身も5万以上のフォロワーを中国SNSでもつ、第一線のKOLである。

WeChat Work活用とは?


WeChat Workは、中国の国民的メッセンジャーアプリであるWeChatの企業版です。

WeChat Workは、単なるチャットツールではなく、内部統制や顧客管理(CRM)、OA機能を統合しており、日系企業が中国ビジネスを円滑に進める上で必要不可欠なプラットフォームになっています。

WeChat Workを活用する最大のメリットは、従業員がWeChat Workを介して、顧客の通常のWeChatアカウントと安全に連携できることです。

この連携によって、中国の従業員が日常的に利用するコミュニケーション手段を通じて、企業として正式に顧客対応を行うことが可能になります。

WeChat Workの活用範囲は、営業、カスタマーサポート、社内連絡、勤怠管理など多岐にわたり、従来の煩雑な業務プロセスを一元管理するだけでなく、業務効率と情報セキュリティの両立を実現できます。

最大のリスク「顧客の持ち逃げ」を防ぐWeChat Work活用


中国ビジネスにおいて、リスク回避をしなければならないことは、従業員の離職に伴う顧客情報の流出や持ち出し、いわゆる「顧客の持ち逃げ」です。

顧客の持ち逃げは、企業の利益をダイレクトに脅かすものであるため、社内不正に対する内部統制の強化は急務として捉えましょう。

通常のWeChatや個人の携帯電話で顧客対応が行われている場合、退職時にその履歴や連絡先を企業側が回収することは困難です。

しかし、WeChat Workを活用すれば、全ての顧客とのチャット履歴や顧客情報は企業のアカウントに紐づけられ、企業側で一元管理・保全できます。

そのため、中国人の従業員が退職した場合でも、顧客データやコミュニケーション記録が個人アカウントに残ることはありません。

これにより、情報流出リスクを大幅に低減するだけでなく、不正行為の抑止力としても機能します。

顧客とのやり取りを企業資産として守るためには、WeChat Workの導入と、それに特化した運用ルールを確立しましょう。

参考記事:https://www.jetro.go.jp/ext_images/jetro/overseas/cn_shanghai/report/202503_investigation.pdf

WeChat Work活用の真髄「離職継承」機能とは?


WeChat Work活用において「離職継承」は最も革新的な機能です。

この機能は、従業員が退職する際に、その従業員が管理していた顧客との関係を後任者へ自動的に引き継ぐ仕組みを指します。

通常のWeChatでは、従業員が退職すると顧客連絡先ごと消失してしまいますが、WeChat Workでは企業が顧客との接点をそのまま保持できます。

退職者のアカウントに登録されている顧客リストが後任者のアカウントへ移管され、過去のチャット履歴もすべて参照できるのです。

これにより、後任者は前任者がどのような提案をしていたか、顧客のニーズや課題は何かを即座に把握でき、引き継ぎがスムーズになります。

さらに、顧客側には「担当者が変わりました」という通知が自動送信され、新しい担当者からメッセージが届くため、顧客との関係が途切れることないこともメリットです。

この離職継承機能により、従業員の退職が企業の売上に与える影響を最小限に抑えられるだけでなく、従業員による顧客の不正な持ち出しを根本から防止できます。

参考記事:https://work.weixin.qq.com/nl/act/p/f0e3b4f3c2c1420d

現場に定着させるWeChat Work活用ルール


WeChat Work活用を成功させるには、現場に定着させることが重要です。

まず、就業規則や労働契約で業務上の顧客対応は必ずWeChat Workを使用することを明記し、個人アカウントでの顧客対応を禁止しましょう。

それと同時に、WeChat Workアカウントおよび保存されるすべての情報の所有権が企業に帰属することを明確化します。

次に、新入社員研修でもWeChat Work活用の重要性を教育し、不正行為の事例や法的責任について説明します。

定期的なコンプライアンス研修を実施し、ケーススタディを通じて従業員のリスク意識を高めることが有効的です。

また、管理職側には定期的にチャット履歴やアクセスログをチェックする責任を持たせ、異常な行動パターンを早期発見できる体制を整えましょう。

内部通報制度と連携させ、WeChat Work活用ルール違反を発見した場合の通報窓口を設置しておくと安心です。

活用ルールには、罰則だけでなく、適切に運用している従業員への表彰制度も設けることで、前向きにWeChat Work活用に取り組む企業文化を醸成できます。

まとめ


今回は、WeChat Workの活用方法とリスクヘッジについて解説しました。

WeChat Workは、中国人材を雇用する日系企業にとって、顧客資産を保護する必須の内部統制手段です。

個人のWeChatでの顧客対応には、従業員退職時の顧客持ち逃げという深刻なリスクが存在しますが、WeChat Workを活用すれば、企業はすべての顧客コミュニケーションを可視化・記録し、不正を抑止できます。

特に、WeChat Workの真髄機能である離職継承機能は、退職者の顧客を後任者へ自動的に引き継ぎ、顧客との関係を途切れさせることなく企業資産として保持できます。

現場にWeChat Workの活用を定着させるには、就業規則での義務化、継続的な教育、管理職による監視、そして内部通報制度との連携が重要です。

中国市場で長期的な成長を目指す日系企業は、WeChat Work活用を組織的に導入し、従業員による不正行為を防止しながら、顧客との信頼関係を確実に継続させる体制を構築しましょう。

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